お局様と自己愛のいない世界に転生したいです。

今まで出会った強烈なお局様たちの記録。被害者の傾向と自分なりのパワハラ対策。

本当はリア充になりたかったお嬢様は、過去の友人

以前の記事で書いた、英語ができないのにその担当になったバイト時代の友達(?)の話。

その同僚バイト(仮にS美)は、私がその英語担当の前任だった人で、半年ほど先輩だった。
私が初めて職場で挨拶をした日、S美から話しかけてきて、同い歳だったことで仲良くなって一緒にお茶したりしてました。

そして半年か一年たったころ、S美のことが負担になりはじめてきた。
仕事帰りのお茶だけならまだしも、週に一度の店休日にも遊びに誘われていたから、こっちはゲームや読書したいのに、またかーと、内心思ってた。

 
S美は文芸系の読書するんだけど、ゲームや漫画はまったく興味ないタイプで、そのころはオタクバッシングがひどい時代だったのもあって、私がゲームしているのを知ると見下されたことあったのも一因。
とくにうんざりしていたのが、「ひたすら職場の愚痴、愚痴、愚痴、愚痴……」

「○○上司に××言われんだけど、仕事してないみたいに言われて不愉快だった」とか「○○さんが不機嫌でやりにくい。私が注文忘れたのをグチグチしつこくて」とか。

S美はお嬢様で九州に住んでいるのに、東京の短大へ進学したほど、両親から可愛がられていた一人娘。
だからだろうか、おっとりしているんだけど、プライドが高い人でした。

英語ができなくても楽しそう、という理由で、S美は志願してその担当をしていたけど、半年で配置換えに。
第一印象は知的なお嬢様なのに、英語さっぱりだったのはもちろん、簿記3級の資格すら不合格が続いて、結局あきらめたほどお勉強が苦手だったよう。
そのS美は、私が英語わからなくて悩んでいる話をしたら、「勉強すればいいじゃない」とまるで他人事のように言ったあと、またひたすら自分の愚痴を話し始めたとき、私の中で「もしかして私は愚痴聞きの役目?」と思い始めた。

休みの日やアフター5だけでは言い足りないのか、S美は夜の10時、ひどいときは12時に電話をかけてきた。そこで、また愚痴、愚痴、愚痴……。
当時は携帯電話が流行り始めたころだったので、自宅の電話にかかってきて、私の母親が「こんな遅くに電話?」と不審がっていたw

あるとき○○の映画が観たいね、と意見が一致したはずが、当日になっていきなり「やっぱり××の映画にしようよ。○○さん(仲良くないけどS美のお気に入り同僚)は、××が良かった、って言ってたよ」と、無理やり予定を変更された。
私は「約束が違う」と軽く抗議したんだけど、S美の中では○○さんのほうが信頼あるらしく、「だったら私子のお母さんと観れば?」とまで言うから、仕方なくといった具合。
だから、それ以降、店休日に誘われても理由をつけて、一緒に行くのを断った。
それまでも愚痴ばかり聞かされて楽しくなかったし、潮時かな、と。

それでもしつこく何度も誘ってきたある日、「○○の資格とる勉强を始めたから、これからもずっと行けない。ごめんね」と断ったら、S美の態度が急変した。
それ以降、無視が始まり、あいさつもせず、こちらから話しかけたら答えるけど、それ以外は視線すら合わせず……。
どうやらS美は同僚として距離をおいた付き合いができないタイプらしく、べったり仲良くしていたかと思うと、あるきっかけで無視。

そういえば、S美はリア充タイプの同僚の愚痴を言っていたわりには、飲み会があるたび私と話さず、そのべつのバイトグループの中へ入ろうとしていたっけ。
本当はリア充グループに入りたいけど、S美はノリが悪くてその人達から距離を置かれていたから、仕方なく似たもの同士の私と仲良くしていたみたい。

S美は仲良くしたいリア充に相手にされないようで、年に数回の昼休憩は私と一緒。私も他にいなかったから、私から誘っていたけど。(バイトは半日単位だったから、昼休憩は基本なかった)
S美は自分から「あれ食べたい、あのお店がいい」とは言わず、いつも私から提案して、すぐに了承してくれれば問題ないけど、「あそこはちょっと……」と渋る。だからあれは、これは、と歩き回って、やっと決まるといった具合。
あるときなんか、不機嫌でずーーーっと無言だったから、「もうあそこに決めようよ」と私が店に入ろうとしたら、そのままべつの店に入っていったから、私は追いかけたことがあった。
今だったら勝手にしろよ、とそのまま放置しておくけど、当時は一人ランチに抵抗があったから、仕方なくS美に同行。で、食事のときも私から話しかけても、「あ、そう」みたいなイヤそうな返事にはまいった……。

……私としては、似た者同士なんだから、ほどほどに仲良く仕事しようよ、と思っていたんだけど、S美としては、「100%自分に味方する友達」が欲しかったんだろうね。
私と仲悪く(というかS美が一方的に無視)なったあと、今度は別の新入りバイトと仲良くなろうと思ったらしく、突然、毛嫌いしていたはずの携帯電話を買ったのにはびっくりした。
その携帯電話に私は番号が登録されておらず、ターゲットにした新入りバイトと番号交換をしていて、しょっちゅうその携帯電話(ガラケー)をいじっていた。

その新入りバイトはS美とすぐに距離を置きたくなったらしく、他に仲良くなったバイト同士と一緒に帰っていた。そして、私は偶然、話しているのを聞いた。
「あのS美って人がしつこく仲良くしようとしてきて、困ってる」と。
他のバイト仲間もS美を嫌っていたらしく「かわいそうー。今度からあたしらと一緒にいなよ」と、助けていた。

そのできごとがあって、さすがのS美もあきらめたらしく、次は短大時代親しくしていた友達に会いに行く、って上司に話していた。
が、驚いたことに、九州から東北まで新幹線で! 往復したらバイト代すっからかんになってしまうのに!
……というか、本当に友達だったら、中間地点の東京とか名古屋で会おうってならないのかな?
多分、その学生時代の友達も、S美のこと本当の友達と思ってなかったのかも。交通費考えたら、家にまで来てなんて言えない、私だったら……。

すっかり仲が冷えたある日、電話の取次でごたごたがあって――S美が保留していたのを知らず、私が誤って○○さんに電話があったとその保留番号を言ってしまった――、S美が激怒。
仕事が終わって、私を呼び出し、「私子のせいで、私が叱られた! 私の評価が悪くなったじゃない、どうしてくれるの!」と。
あまりの激怒で、反射的に私は謝罪した。(自己肯定が低いから、相手が怒ると反射的に自分が悪い、と感じてしまう……)。
それでも怒りが収まらなかったようで、ものすごい顔でにらみつけて、S美は去った。

S美の名誉を回復しようと思って、私は上司たちに「保留の件は私が悪くて、S美は悪くないです。すみません」と謝罪。
そうしたら、上司たちは「あれはどう見ても、すぐに言わなかったS美に非があるから、気にしないでいいよ。というか、あんなことで激怒するの? 前、幼稚園で保育士していたって聞いてたから、穏やかなお嬢様だと思ってたのに、意外だね」と。

……その件以外でもいろいろあったらしく、S美はバイトの更新をされませんでした。
私には退職日、目を合わせてもあいさつなし。最後まで敵扱い。

今だったら受け身でプライドが高いお嬢様だったんだろうな、と思えるけど、まだ若かった私は、正直なところショックでした。
仲が良かったはずなのに、相手を怒らせてしまったことが。
リア充タイプと仲良くなれない同士、そこそこ仲良くやっていけばいいじゃない、と思ってたはずなのに。
あれだけ愚痴を聞いた私はなんだったんだろうか?

短大のときの友達A子といい、都合がいい時だけ友達になって、そうじゃなくなったらあっけなく縁切りされるのがこたえてしまって、S美の件依頼、いまひとつ仲良くしようとしてくる相手を信用できなくなってしまった。
当初は真面目そうなお嬢様だったのに、親しくなったら受け身でわがままになっていくのが共通点。
そうしたら、友達がなかなかできにくくなってしまって、かといってリア充になれないし、あぶれ者同士じゃないと相手にされないし。
本当に気が合う人となかなか知り合えないのが寂しい。

友人ってなんなんだろうな?
と、思うようになったできごとでした。